網野君が筆頭著者の論文 “Reproductive advantage of the winners of male-male competition in Drosophila prolongata” が Behavioural Processes 誌上で公開されました。(50日間のフリーアクセスはこちら)
テナガショウジョウバエのオスは激しく闘争し、それが交尾成功率に影響することは分かっていましたが、なわばりを持つのかどうかについてはこれまで確認できていませんでした(闘争するけど縄張りは持たない動物はたくさんいます)。
一方、他のオスによるメスの横取り行動や、エサの有無によるメスの交尾受容性の変動などの現象から、テナガショウジョウバエのオスはなわばりを形成したほうが繁殖するうえでずっと有利になるだろうとは予想されていました。しかし、テナガショウジョウバエの闘争は少々せわしなく、そもそも勝ち負けが存在するのかすら、従来の観察手法では明瞭に判断できていませんでした。
今回、AIを用いた自動行動解析の手法を応用することで、テナガショウジョウバエの闘争がオス間に優劣関係を形成し、なわばりが形成されることを初めて確認することができました。本人による詳細な解説はこちらをご覧ください。